項目 | 概要 | 備考 |
基本構造 | 全長約14万4000km。カウンターマスは用いない。
7本のケーブル "クエルダ" を中心構造体として、各付帯施設を設ける多重構造を成す。
右は大まかな説明図。以下、図の高度に対応しながら高度別に概説する
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バランサーリール | カウンターマスではない。
地上から繰り出されるクエルダを、全体の質量バランスをとりながら、適宜巻き取る装置。
クエルダをある程度巻き取ったら、コルチェアに積んで地上に戻し、工場で再利用する。 このため、常に軌道エレベーター全体の高度は微妙に変化している。
なお、ここにも軌道スリングシステムがある。 | |
各中間軌道局 | 様々な高度ごとに設けられているステーション。
一定の高度以上の軌道局には、宇宙機の軌道投入や廃棄物投棄のための軌道スリングシステムを装備している。
以下は主な軌道局。
高度約5万7000km。通称 "ルーヴェン" 軌道スリングを装備しており、火星など他惑星などへの軌道投入を念頭においている。
高度約2万3000km強。通称 "フルヴェン" 軌道スリングを装備しており、主に低軌道への軌道投入を行う。
また、もう2000kmほど上がると、アルパの構造体が軌道速度を得るため、
手前にあたるこの軌道局で、非常時のコルチェアの装備が、軌道遷移を前提としたものに換装される。
地球周回軌道上の有人活動にトラブルが生じた際、救援に駆けつけるための中心的設備も兼ねる。
高度約8900km強。通称 "アポロ(−)ン" 月面とほぼ同じ重力を体験できる施設。
このほか、コルチェアの換装や備蓄などを目的に、複数の軌道局が設けられている。
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軌道スリングシステム | 宇宙機の軌道投入や廃棄物投棄のためのカタパルトシステム。
多くは軌道局に敷設されているほか、静止軌道より上には、
高度を自由に変えられる、無人の可動式スリングも複数存在する。
また、高度約4万7000kmより上のスリングは、地球重力圏を振り切って物体を投射する役割を担い、
それより下のスリングと区別して「高軌道スリング」と呼ばれる。 | |
静止軌道局 | 高度約3万6000km。通称 "アムピオン"
軌道局の中では最大規模であり、地上局に次ぐ機能、人数規模を有する。
地上局と並び、軌道エレベーターの管理を司る大型演算システム "ムーサ" を擁している。
4m×4m×12mの直方体のブロックの集合体から成る。
1ブロックの大きさはコルチェア(後述)の車両と同じであり、
増設時は、コルチェアの台車にブロックをくっつけて運んできて、基本的にはそのまま取り付ける
(現代でいうと、船便から下ろされて鉄道に乗っけて運ぶコンテナのようなものです)。
静止軌道は無重量なので、随時拡大している。
2本の静止軌道オービタルリングとの結節点でもある。
リングの外側に、ドーム上の工廠がくっついており、宇宙機の組み立てや補修、各種実験などを行っている
(工廠に宇宙機や大きな物資を出し入れする時は、ドームがパカっと上下に割れます)。
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ヴァン・アレン帯 外帯シールド | 高度約10000〜20000km。
内帯同様、ヴァン・アレン帯の外帯の放射線から人員を守るためのシールド。
クエルダを筒状に取り巻いている。軌道局も部分的に内包している。
地磁気を利用したアルパ全体の姿勢制御機構も兼ねる。 | |
リニアレール | 高度約2000km〜12万km。コルチェアの推進を補助する電磁誘導レール。
制動時の誘導電流を回収することで発電も行う。
下端は軌道局が併設されており、コルチェアの台車が、
リニアブースターを装備して、非常時の脱落に備えた推進機構なども装備したものに換装される。
地磁気を利用したアルパ全体の姿勢制御機構も兼ねる。
静止軌道より上では、軌道エレベーターの公転による接線速度に、足りない分(秒速1.6kmほど)の加速を補い、
物体を太陽系脱出速度まで到達させるためのマスドライバーシステムを兼ねている。 |
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ヴァン・アレン帯 内帯シールド | 高度約2000〜5000km。
ヴァン・アレン帯の内帯の放射線から人員を守るためのシールド。
クエルダを筒状に取り巻いている。軌道局も部分的に内包している。
地磁気を利用したアルパ全体の姿勢制御機構も兼ねる。 | |
デブリシールド | 高度約200kmから上。
デブリからアルパ本体を守るとともに、デブリの回収や減速をするためのシールド。
クエルダと同系素材などの複合材でできたネット兼バンパーから成る。
軌道上のデブリの平均密度により、高度ごとでネットの密度も異なり、低軌道が最も重厚。
(説明図ではデブリシールドは省略しています) | |
成層圏 プラットフォーム | 高度約50km。
エレベーター本体のクエルダに沿って、ガス飛行船から別のクエルダも吊り下ろされている。
展望台などがあり、本格的に宇宙へ行く支度を整えずに日帰りで行き来できるスポットとして利用されている。
レジャーの一環として、ここから地上へスカイダイビングするスポーツなども行われている。
旅客用の昇降機 "コルチェア" の発着場も兼ね、これより上に行く一般客はここで乗り換えをする。 | |
地上局兼工場 | 通称 "オルフェ"。
地上局は、コルチェアの運航や軌道エレベーター全体やオービタルリングシステムの姿勢制御、
データの集積、各軌道局の統括など、全体を統括するコントロールセンター。
アルパ運用部の最も多くの職員が働いている。
軌道エレベーターの基礎構造を成すケーブル "クエルダ" の生産工場も兼ねており、
常にクエルダを途切れなく生産し、少しずつ太く成長させながら宇宙に繰り出し続けている。
地上数kmの高さまで、クエルダ本体と同系の超軽量素材でできた漏斗状シールドに包まれている
地上局の地価は、ARPA特区本社と通路でつながっている。 | |
軌道対称性構造 | 各軌道局及びヴァン・アレン帯シールド、リニアレール、デブリシールドなどの構造的特徴。
各中間軌道局やシールドは、静止軌道より上にある軌道局などの構造物とている。
独立したクエルダで引っ張りあっており、クエルダ本体に負荷をかけずに独立して浮くように高度を保っている。
リニアレールも一見、まっすぐ1本のレールのようにみえるが、多重構造になっており、
軌道対称構造により独立して浮いている。 |
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EDTM | エレクトロ・ダイナミック・テザー・マニューバ。
地磁気を利用した構造体の姿勢制御機構。リニアレールやヴァン・アレン帯シールドなどが、
その機能を担っており、コリオリや摂動、振動などによるアルパ全体のブレを補正している。 | |